「乳がん検診の新指針 – 30代からのマンモグラフィ推奨へ」 2025年2月28日 -

「乳がん検診の新指針 – 30代からのマンモグラフィ推奨へ」 2025年2月28日

医学
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日本乳癌学会が新たな検診ガイドラインを発表

2024年2月28日、日本乳癌学会は乳がん検診の新たな指針を発表した。これまで日本では、40歳以上の女性に対して2年に1回のマンモグラフィ検診が推奨されていた。しかし、今回の改訂により、30代からのマンモグラフィ検診が推奨されることとなった。特に、家族歴のある女性や遺伝的リスクを持つ人は早期の受診が必要とされている。

なぜ30代からの検診が必要なのか?

この変更の背景には、若年層での乳がん発症率の増加がある。国立がん研究センターのデータによると、日本の乳がん患者の中で30代の割合が増加しており、特に30代後半での発症が顕著になっている。

従来、乳がんは40代以上の女性に多いとされ、検診の対象も40歳以上とされていた。しかし、近年のデータでは、30代での診断例も増えており、より早期の検診が命を救う可能性が高まっている。

また、遺伝的要因も重要視されており、特にBRCA1やBRCA2遺伝子変異を持つ人は、一般の女性よりも高いリスクがあるため、早期の検診が必要とされる。

マンモグラフィのメリットとリスク

マンモグラフィは、乳がんの早期発見に有効な手段とされているが、一方で30代の女性に対する適用には議論があった。その理由は、若年層では乳腺の密度が高く、マンモグラフィの精度が低下する可能性があるからだ。

しかし、最近の研究では、被ばくリスクよりも乳がんの早期発見によるメリットの方が大きいとされ、30代の女性にも検診を推奨する方向になった。また、超音波検査(エコー)を併用することで精度を向上させる方法も提案されている。

費用と受診率の課題

現在、日本では40歳以上の女性を対象に自治体が乳がん検診の補助を行っているが、30代の女性には適用されない場合が多い。そのため、若年層向けの補助制度の整備が求められている。

また、日本の乳がん検診受診率は約50%とされ、欧米と比べて低い。厚生労働省の調査によると、日本の女性は「忙しい」「痛みが不安」「費用がかかる」などの理由で検診を受けない傾向がある。このため、新指針の発表を受けて、受診率向上のための啓発活動も重要となる。

まとめ

今回の日本乳癌学会の新指針により、30代からのマンモグラフィ検診が推奨されることになった。これは、若年層の乳がん発症率増加を受けた対応であり、早期発見による治療の成功率向上が期待されている。しかし、受診率の向上や費用補助など、制度的な課題も残っている。今後、どのように新指針が実施されるのかが注目される。

📌 参考資料

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