FIMとは?評価方法・採点基準・合計点の見方をわかりやすく解説【採点ツールあり】

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FIM(Functional Independence Measure:機能的自立度評価法)は、日常生活動作(ADL)を「介助量」で点数化する評価法です。運動13項目+認知5項目=合計18項目を、7点(完全自立)〜1点(全介助)の7段階で評価します。

このページでは、FIMの基本・18項目の構成・採点基準・合計点の見方を、臨床で使える形にまとめています。特に迷いやすい5点と4点、4点と3点の境界も整理しています。

FIM採点で迷う方へ|Ver.2で“具体例”を大幅強化

このFIM採点ツールは、実際の臨床での使用者の声をもとに改良し、Ver.2としてアップデートしました。

  • 5点と4点の判断で毎回迷う
  • 評価者ごとに点数がズレる
  • 新人に説明しても伝わりにくい

Ver.2で改善したポイント

  • 4点・5点・3点など「境界」を具体例で強化
  • 18項目すべてに臨床ベースの具体例を追加
  • 7→1の流れで直感的に判断できる構成

教科書ではなく「現場でそのまま使える判断基準」を意識しています。

FIMの構成(運動13+認知5=18項目)

FIMは、運動項目と認知項目に分かれます。原則として「できるADL」ではなく、“しているADL(実際の介助量)”を評価します。

運動項目セルフケア食事
整容
清拭
更衣(上半身)
更衣(下半身)
トイレ動作
排泄コントロール排尿管理
排便管理
移乗ベッド・椅子・車椅子
トイレ
浴槽・シャワー
移動歩行・車椅子
階段
認知項目コミュニケーション理解
表出
社会的認知社会的交流
問題解決
記憶

FIMの採点基準(7〜1点)早見表

FIMは7点(完全自立)〜1点(全介助)の7段階です。迷ったら「手が入るか」「割合(本人がどれだけやっているか)」を軸にするとブレが減ります。

点数名称判断の目安
7完全自立補助具・介助なしで自立
6修正自立時間がかかる/装具・自助具・服薬/安全配慮は必要だが介助者の関与は最小
5監視・準備見守り、準備、指示、促しが必要(手は基本出さない)
4最小介助手で触れる以上の介助が少し必要。ただし本人が75%以上実施
3中等度介助本人が50〜75%未満実施
2最大介助本人が25〜50%未満実施
1全介助本人が25%未満しか実施できない

迷いやすい境界:5点と4点/4点と3点

5点(監視・準備)

  • 見守り・準備・声かけ中心
  • 基本は手を出さない
  • 不慣れな状況でのみ必要、など頻度が少ないことが多い

4点(最小介助)

  • わずかでも手が入る(触れる以上の介助)
  • 本人が75%以上やっている
  • 「最後だけ手伝う」「バランスだけ支える」などが典型

ここが一番ブレやすいポイントです

実際の臨床では「見守りなのか」「身体介助なのか」で点数が割れやすいです。

食事・更衣・移乗・トイレ動作など、点数がズレやすい具体例をまとめています。

具体例をすべて見る

具体例で見るFIM採点の考え方(一部)

以下は、FIM採点で迷いやすい場面の一部です。全18項目の具体例は、noteの具体例集にまとめています。

食事の具体例(一部)

  • 6点:経管栄養でも、接続や衛生管理を本人が行えている
  • 5点:食形態の調整は済んでおり、食事場面は見守り・声かけ中心
  • 4点:取りこぼしの仕上げや、口腔内残渣の確認など最後に手が入る

※3点以下や他項目の具体例は有料版でまとめています。

更衣(下半身)の具体例(一部)

  • 5点:服の準備や一部の準備だけ支援があれば、他は自分でできる
  • 4点:片脚だけ通す介助、靴紐だけ結ぶ介助など限定的な支援で成立する
  • 3点:ズボンはできるが靴下・靴が難しいなど、複数工程で半分程度の介助が入る

※上半身更衣・トイレ動作・排泄管理・認知項目などは有料版に収録しています。

移乗:ベッド・椅子・車いすの具体例(一部)

  • 5点:ブレーキや位置決めなど開始前の確認や見守りが必要
  • 4点:手を添える、少し引き上げるなど軽い介助が必要
  • 3点:起き上がり等で大きな介助が入り、全体として半分程度の支援が必要

※移乗(トイレ・浴槽)、移動、階段、認知項目の具体例は有料版で確認できます。

合計点の見方(運動合計・認知合計・総合計)

FIMは合計18項目で、総合計は18〜126点です。内訳は次のとおりです。

区分項目数点数範囲
運動1313〜91点
認知55〜35点
総合1818〜126点

運動合計だけ高くても、認知が低いと生活の安全性や継続性に影響します。逆に、認知が保たれていると「介助の質(声かけで成立するか等)」が変わります。

FIM採点ツール(オフラインで使える)

FIMの採点を紙や電卓で行うと、合計点の確認や項目の見落としが起こりやすくなります。クリックするだけで運動合計・認知合計・総合計を自動表示できるツールも用意しています。

FIM採点ツールの画面例
FIM採点ツールの集計画面

オフラインで使いたい方へ

院内PCやネット環境が不安定な場面でも使えるように、ブラウザだけで動くオフライン版を用意しています。

  • インストール不要
  • クリックで採点
  • 運動・認知・総合計を自動集計
  • 具体例を見ながら採点可能
FIM採点ツールを入手する

FIM採点ツールの使い方(3ステップ)

  1. 各項目の点数、または具体例を選択
  2. 「点数表を表示(集計)」で、運動合計/認知合計/総合計を確認
  3. 必要なら印刷して共有し、カンファ資料や記録の下準備に使う

よくある質問(FAQ)

Q. FIMは「できるADL」ですか?

A. 基本はしているADL(実際の介助量)を評価します。評価場面だけの“できた”ではなく、生活全体で安定して成立しているかを見ます。

Q. 日中と夜間で点数が違うときは?

A. 原則、より低い得点(介助が多い方)を採用して安全側で判断します。

Q. 5点(監視)って、どれくらいの頻度?

A. 目安としては「不慣れな状況でのみ必要」「頻度が少ない」など、日常の大半は自立しているが、たまに見守りや声かけが必要というイメージが合います。

注意・免責

このページおよび採点ツールは、臨床判断を補助する目的で提供しています。最終的な評価は、所属施設の運用や評価者の判断に従ってください。

参考・引用

・Liu M他. Stroke Impairment Assessment Set(SIAS)and Functional Independence Measure(FIM)and their practical use. In:Chino N, ed. Functional Assessment of Stroke Patients: Practical Aspects of SIAS and FIM. Tokyo:SplingerVerlag;1997. p.17–139.

・Tsuji T, Sonoda S, Domen K, Saitoh E, Liu M, Chino N. ADL structure for stroke patients in Japan based on the functional independence measure. Am J Phys Med Rehabil 1995;74:432/438.


最後に:採点の迷いを減らすには具体例が有効です

FIMは項目が多く、点数がブレやすい評価です。まずは基本を押さえ、迷う項目は具体例で確認すると判断が揃いやすくなります。

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